山県郡安芸太田町にある「井仁の棚田」。
広島県で唯一農林水産省の棚田百選に選定された、まさに日本の原風景と言えるとても美しい棚田です。
長い年月をかけて守られてきた棚田ですが、高齢化で人口が減り、棚田の維持管理も困難になっている現状。
美しい棚田の景観を保つには、人手が必要です。
都会に住む人にもこの井仁の棚田を訪れ、魅力を知って欲しい。
私たちが実際に井仁の棚田での米づくりを体験し、お客さまに訪れていただくことで、そのきっかけを作りたい。
その思いで、無印良品ではこの井仁の棚田の一部をお借りして、2019年の春から米づくりの体験を始めました。
先日、倒れてしまった稲を起こす「稲起こし」をしてから2週間ほど経ち、いよいよ稲刈りの日を迎えました。
→「稲起こし」の様子はこちら
https://www.muji.com/jp/ja/shop/045653/articles/events-and-areainfo/areainfo/807021
着いてみると、稲起こしの時はまだ緑色だった稲も眩しいほどに色が変わっていました。きれいですね。
さて、早速稲刈りの開始です。
スタッフ6名で2枚の田んぼの稲を刈ります。
今回は広範囲なので、初めてトラクターを入れて稲刈りをすることになりました。
トラクターを入れるとは言え、トラクターが回れるように周りはスペースを作らなくてはいけません。
ということで、まずは手刈りから。
稲の束を持ち、鎌を手前にグッと引いて刈り取ります。初参加のスタッフも多く、最初はコツを掴むのが難しかったですが、慣れるとだんだんテンポ良く刈れるように。
しかし井仁のみなさんの刈るスピードは凄まじく早く、これに至るにはまだまだ修行が必要です。
稲起こしの際に束ねた稲はほぐし、「稲起こし棒」を使ってトラクターが入りやすいようにしました。
トラクターは一方方向にしか刈れないので大事な作業。
起こしやすいように、棒の先がくいっと曲がっているんです。よくできていますよね。
さて、トラクターの使い方を習ったら、いざ実践。
意外と様になって見えますが、自分で操作してみると前がよく見えなかったり、思った方向に進まなかったり。
見るのとやるのではやっぱり違います。
手刈りの稲は藁で束ね、次は「はさがけ」。
はさがけとは、刈り取った稲を乾燥させるために、束ねた稲を棒に掛けることです。
稲の束を7:3くらいに分けて掛けていきます。
半々で分けるより、この方がたくさん掛けることができるんです。
最後はビニールをかけて、稲で縛れば完成です。
今回のように機械を入れても、やはり手作業の部分は多く、スタッフ全員汗だく、へとへとになってしまいました。
ここから20日くらいかけてさらに乾燥させ、この後脱穀・籾すり・精米と続きます。
お米は野菜などと違い、収穫は一年に一度だけ。
収穫までにも何度も手をかけなければならず、こうして体験させてもらうことで、米づくりの大変さをいつも実感します。
お米を食べる時には農家の方への感謝の気持ち、そしてお米の一粒も残せないと思うようになりました。
同時に汗を流しながらの作業はとても気持ちよく、このコロナの状況が落ち着けば、またお客さまにも体験して欲しいなと思っています。
おいしい新米ができるまでもう少し。
今後の作業の様子も、こちらのおたよりでご紹介いたします。
どうぞお楽しみに。
無印良品 広島パルコ
新館 8F無印良品
井仁の棚田、稲刈りの日。|地域情報
21/10/14
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