D,ari帽子

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帽子

帽子は一つの旅である by 伊丹十三

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フェルトの中折れハット(ソフト帽)を愛した映画監督、伊丹十三は言った。『帽子って、まず外の世界だよね。他人と対決したりせめぎあったりする世界、従ってルールや規律やプリンシプルが支配する世界でしょ? つまり簡単に言えば大人の世界ですよ。大変なんだよ。(中略)え? なんでそんなしんどい思いをしてまでソフトを被るのかって? ‥‥そりゃ、退屈だからですよ。人間ていうのは基本的に退屈してるんです。自分に死ぬほど飽き飽きしてるんです。つまり、人間はいつも自分じゃないものになりたいんですよ。つまり、たまさか僕がソフトを被るのは、それによって日常から非日常へ脱出を企ててるんですよ。つまり、僕にとって、帽子は一つの旅である、と、いうことなんじゃないのかな?』(「PAPAS 1994-1995 AUTUMN & WINTER」より抜粋)

「帽子は一つの旅である」と。カッコ良すぎやしませんか。いや、こう言われると気の利いたハットをひとつは持っていないといけない気がする。

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広島に、一人の帽子クラフトマンがいる。「D,ari(ダリ)」という帽子ブランドのオーナー兼デザイナーの有馬さんだ。有馬さんは広島でファッションについて学んだ後、もっと帽子について深めたいと帽子学校で学び、さらに東京の帽子学校でも研鑽を積んだ。その後、東京で帽子ブランド「CA4LA」のデザイナーとして経験を積み、2009年より独立、自身のブランド「D,ari」をスタートし、2014年より拠点を地元である広島に移した。そのキャリアの中では世界的ファッションブランド「ニール・バレット」のミラノコレクションなど、ファッションの本場、ミラノやパリでのショーや展示にも携わってきたという、その実力は折り紙付きだ。

ビンテージの木型にフェルトを押し当てて一つひとつ形作られる硬派なハットたち。他にも縫製や素材にこだわったベレーやキャップ、ハンチングにキャスケットなど、2009年のブランド立ち上げから12年間、毎年、春夏・秋冬の2シーズン各20型、年に約40型のデザインの帽子を発表し続け、全国の帽子好きに愛されるブランドとなった。「アトリエは散らかっているので絵になりませんよ」と申し訳なさそうに言う有馬さんだが、いやいや、100年以上前のミシンがゴロンと雑に置いてあったり、クラフトマンシップ溢れるこだわりのもと、物が生み出される現場というのはなんと格好良いものか。

D,ari

そんなD,ariが、なんと今回のCHRISTMASズキューンMARKETのために限定ハットを作ってくれた。ビンテージ木型を用いたD,ariらしいクラシカルなフォルムに黒リボン&フェザーのハット(記事1枚目の写真と、この上の写真)。これですよこれ。粋な大人ならひとつは持っておきたい気の利いたハットって。そしてさらに、お任せでオランダ&スイス製のビンテージハットピンまで付いてくると(!)。ハットピンかぁ、くーっ、大人だなぁ。

帽子を被れば、それだけで日常から非日常への旅。さらに今回はハットピンでオランダ、スイスへの旅。さらにさらに、ビンテージの木型、ビンテージのピンに思いを馳せる時間の旅でもあるわけだ。それでは、Bon voyage! 良い旅を!

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広島市中区昭和町6-9
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